【3月21日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領のイラストを使ったロシアのアイスクリームの広告に一部から人種差別的だという批判が出ている。

 問題の商品はバニラアイスの芯の部分にチョコレート味のアイスを入れ、外側をチョコでコーティングした「デュエット」というアイスバー。広告には米ワシントンD.C.(Washington D.C.)の連邦議会議事堂をバックに笑顔でVサインを出した黒人男性のイラストを使用し、ロシア語で「話題独占、白の中の黒!」という宣伝文句が踊る。

 今週、この広告を紹介した世界の広告を集めた英語のウェブサイト「Ads of the World」には、「かわいい」という意見のほかに、「人種差別だ」、「アイス自体もこの広告みたいにマズいのか?」などと書き込まれた。

 広告を制作したエカテリンブルク(Yekaterinburg)の広告代理店ボスホート(Voskhod)のアンドレイ・グバイドゥリン(Andrei Gubaidullin)氏はAFPの電話取材に対し、人種についての考え方はロシアと西側では異なり、この広告は人種差別などではなく、ジョークとして受け取ってほしいと述べた。さらに個人的にオバマ氏は好きだと付け加えた。

 ロシアではこのほかにも、オバマ氏を「起用」した広告が見られる。

 モスクワ(Moscow)では前年秋、笑顔のオバマ氏の写真に「完全な歯の民主主義を!」という宣伝文句を載せた歯科医院チェーンのホワイントニグサービスの宣伝パンフレットが出回った。最近ではオバマ氏の写真を使った日焼けサロンのパンフレットもある。

 ロシアに暮らすアフリカ系住民の数は比較的少なく、しばしば差別を受けていると訴えている。(c)AFP