【3月17日 AFP】オーストリア・ザンクトペルテン(Sankt Poelten)の裁判所で16日に開かれた、実の娘を24年間監禁し、性的暴行を加えた上に7人の子どもを産ませ、その子どもの1人を殺したとして強姦(ごうかん)、強制隔離、近親相姦、暴行傷害、自由束縛、殺人の罪で起訴されていたヨーゼフ・フリッツル(Josef Fritzl)被告(73)の初公判で、同被告は自由束縛と殺人の罪について否認した。

 フリッツル被告は、起訴状が読み上げられ罪状認否が行われた際、強姦、近親相姦、強制隔離の罪については、短く「はい」と答え認めた。だが、殺人の罪に関しては無罪を主張した。強姦、近親相姦、強制隔離などの罪では量刑は最大禁固15年だが、殺人だと終身刑の可能性もある。

 検察によると、フリッツル被告は1996年に実の娘に産ませた子どもに、出産直後の医療行為を受けさせず死亡させたという。同被告は警察に対し、このときは死産で、産まれた子どもは監禁部屋のボイラー内で焼却したと供述している。

 フリッツル被告はまた、自由束縛の罪についても無罪を主張した。オーストリアで自由束縛の罪での起訴は今回が初めて。

 フリッツル被告はさらに、娘やその子供たちに対し、部屋から逃げ出そうとしたら毒ガスで殺すと語っていたことについても否定した。27ページにわたる検察側の起訴状によると、これは暴行傷害の罪にあたるとされている。(c)AFP/Sim Sim Wissgott