【3月12日 AFP】大阪・道頓堀(Dotonbori)川で10日、24年前に川の中に投げ込まれたケンタッキー・フライド・チキン(Kentucky Fried ChickenKFC)の創業者カーネル・サンダース(Colonel Sanders)の人形が発見され、阪神ファンの間に「カーネル・サンダースの呪い」が解けるとの期待感が広がっている。

 カーネル人形が道頓堀川に投げ込まれたのは、プロ野球日本シリーズで阪神タイガース(Hanshin Tigers)が初優勝を飾った1985年。リーグ優勝に熱狂し酔ったファンらが、当時の強打者でこの年ホームラン王に輝いたランディ・バース(Randy Bass)選手に似ているとの理由で、KFCからカーネル人形を「解放」し川へ投げ込んだ。このときの様子は、大阪の野球史における語り草となっている。

 しかし、その熱狂的な夜にドロドロに濁った川底へ沈んでいったカーネル人形と、タイガースの成績は命運を共にした。以降、有望な新人選手との契約に相次いで失敗し、日本一にもなれていない。立て続く不運は、日本中の野球ファンから「カーネルの呪い」と呼ばれるようになった。

 10日、建設作業員らにまず上半身を「救出」されたカーネル人形は、11日には下半身と右手も発見された。メガネはなくなっているものの、4月の公式戦開幕の直前という発見時期から、阪神ファンの間にチームの状況が一気に好転することへの期待が膨らんでいる。自身も大の阪神ファンだという大阪市の広報担当は、今回の発見は大阪市民とタイガースに元気を与えるだろうと話した。

 一方、KFCの広報は発見されたカーネル人形について、きちんと世話をしてくれる人に任せたいとし、タイガースの本拠地、甲子園球場に展示する可能性にも言及している。(c)AFP