【2月23日 AFP】(一部更新)エジプトの首都カイロ(Cairo)中心部にある観光客に人気のバザール(市場)で22日、爆弾が爆発し、ツアー旅行で来ていたフランス人少女1人が死亡、外国人を含む25人が負傷した。エジプト国内で欧米人を狙ったとみられる攻撃は、2006年以来となる。

 目撃者証言によると、爆発があったのは22日夜で、1500年の歴史を持つカイロ有数の観光名所「ハン・ハリーリ(Khan al-Khalili)」市場付近。

 運ばれた病院で死亡した少女は、パリ(Paris)から来た10代の少女ら54人のツアーグループの一人で、事件発生時は翌日の帰国に備えて土産物を買いに来ていた。ツアーグループの17人が負傷し、うち1人が重体、ほかに2人が入院しているという。

 エジプト保健省によると、ほかにドイツ人1人、サウジアラビア人3人、エジプト人4人が負傷した。

 爆発の経緯については証言が混乱している。

 目撃者らと警官1人の話によれば、市場を見下ろす建物の屋上から手製の爆弾2発が投げ落とされ、路上で1発が爆発した。爆発しなかった1発は後で爆発物処理班が遠隔操作で処理したという。負傷した外国人旅行客らは、爆弾が屋上から自分たちに向けて投げつけられたのを見たと証言している。

 一方、エジプト議会の安全保障委員会のメンバーの一人は、警察当局は「原始的な」爆弾がコンクリート製のベンチの下に置かれていた可能性を捜査中だと話した。このベンチは爆発で粉砕されている。これに先立って国営MENA通信は治安当局筋の話として、「爆発物は多数のくぎと共に袋に入れられ、ベンチの下に置かれていた」と伝えていた。

 これまでのところ、犯行声明などは出ていない。(c)AFP/Samer al-Atrush