【2月21日 AFP】(一部更新)中国訪問中のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は21日、中国で楊潔チ(Yang Jiechi)外相と会談した。

 会談後の会見でクリントン国務長官は「引き続き中国が米国債を信頼していることを感謝する」と述べ、中国による米国債買いの継続に感謝の意を表明した。

 米政府資料によると08年12月時点での中国の米国債保有残高は6962億ドル(約65兆円)で世界最大。バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が前週署名した7870億ドル(約73兆円)の景気対策法への資金調達には、中国による米国債買いの継続が不可欠とみられている。

 楊外相は、中国が米国の財政政策から大きく道を外れることはないと示唆したものの、具体案は述べなかった。金融危機については、米中が協力をすることで克服できると確信していると述べた。

 両外相はまた、貿易・投資の保護主義を拒否することで合意。

 温暖化対策についてクリントン国務長官は、12月にデンマークのコペンハーゲン(Copenhagen)で開かれる国連気候変動枠組み条約締約国会議で成果達成に向けて、米中両国が「共通の利益」を持っていることで一致したと語った。

 人権問題についても協議されたが、クリントン氏は人権問題を米外交政策の「重要な側面」と述べる一方、楊外相は大きな違いのある米中両国が人権問題で一致しないことは「自然なこと」と語り、コメントは一般的なものにとどまった。

 両者は4月2日にロンドン(London)で開かれる20カ国・地域の財務相・中央銀行総裁会議(G20)で、オバマ大統領と中国の胡錦濤(Hu Jintao)国家主席の初の首脳会談を行うことを発表した。

 クリントン長官は、楊外相との会談後、温家宝(Wen Jiabao)首相と胡錦濤国家主席と相次いで会談した。(c)AFP