【2月10日 AFP】交通事故で17年間もこん睡状態が続き、家族が延命措置停止の権利を裁判で勝ち取ったエルアナ・エングラロ(Eluana Englaro)さん(38)について、イタリア上院は9日、エングラロさんの延命措置停止を阻止するための緊急会議を開く見通しとなった。

 安楽死の阻止に向けた動きが高まる中、エングラロさんが入院している北東部ウディネ(Udine)の病院の医師は6日、エングラロさんへの栄養供給を停止した。一方で、保守派のシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)首相に対しては、この問題を政治問題化しているとの非難の声があがっている。

 ベルルスコーニ政権は6日、エングラロさんへの栄養供給停止を阻止するための緊急政令を閣議決定したが、同国のジョルジョ・ナポリターノ(Giorgio Napolitano)大統領はこの政令への署名を拒否していた。

 イタリア上院ではまもなく、エングラロさんの延命措置を続けるよう医師らに命じる法案の採決を行う予定となっている。(c)AFP/Gina Doggett