【2月2日 AFP】(一部更新)中国政府は2日、国際的な経済危機による影響で、地方から都市部への出稼ぎ労働者約2000万人が失業状態にあることを明らかにし、大規模な解雇が社会不安の恐れをさらに後押ししていると警告した。

 世界第3位の経済大国となった中国だが、ますます進行する景気減速と、数千単位の工場閉鎖を反映し、失業者数は1月の政府統計から3倍に膨れ上がった。

 中国共産党の農村対策を担当する中央農村工作指導グループの陳錫文(Chen Xiwen)主任は「景気悪化のせいで、約2000万人の出稼ぎ労働者が失職したり、仕事を見つけられないまま、地方部へ帰郷した」と報道陣に説明した。戻った先の農村部などでは、収入となる仕事がないといい、陳氏は「これは今年の社会的安定を脅かす新たな要因だ」と指摘した。

 08年、世界が経済危機に陥る前には、中国の地方部から約1300万人がより裕福な都市部へ出稼ぎに来ていたが、世界の工場として消費財を安価に提供している労働集約型産業での仕事を中心に、大半は職を見つけていた。

 しかし経済混乱と共に、主な輸出先である欧米・北米での市場が低迷し、生産の中止や工場閉鎖が相次ぐと、膨大な数の労働者たちが職を失った。

 陳氏は、毎年平均600~700万人の出稼ぎ労働者がいることから、実際の失業者は統計の2000万人よりもさらに多いとみている。(c)AFP/Marianne Barriaux