【1月30日 AFP】2010年サッカーW杯(2010 World Cup)北中米カリブ海予選で、サッカー・メキシコ代表と米国代表の試合を前に、メキシコのスポーツ紙「レコード(Record)」が米国代表ユニフォームを着たブードゥー人形の配布キャンペーンを行おうとしたが、この試合のスポンサーである米家電販売チェーン大手「ラジオシャック(Radio Shack)」が、人形の配布場所となっていた同社のメキシコ支店に人形の配布の中止を指示する騒動となった。

 ラジオ・シャックは同社メキシコ支店に、レコード紙が企画したサッカー米国代表選手を模したブードゥー人形8700体を配布しないよう命じた。ラジオ・シャックのメキシコ支店広報担当によると、このキャンペーンは、レコード紙に掲載されキャンペーン広告の人形を切り抜いて、ラジオ・シャックのメキシコ国内各店に持って行くと、引き換えで実物のブードゥー人形がもらえることになっていた。

 レコード紙のウェブサイトによると、ラジオ・シャックからは「米国企業として(国別代表)チームに敵対するような状況をサポートすることはできない」と申し入れがあったという。

 W杯予選でメキシコ代表の後援となっているレコード紙では、ブードゥー人形キャンペーンは中止することなく、新たな配布場所を紙上でまもなく告知するとしている。同紙ではこのブードゥー人形を「秘密兵器」と呼び、「相手チームの選手だと思って、好きなところに針を刺そう」とうたっている。

 サッカーの国別代表試合では2000年以来、メキシコ代表が米国代表に勝利したことはない。

 北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)が主催する今回のW杯予選は2月11日、米オハイオ(Ohio)州コロンバス(Columbus)で行われる。

 レコード紙はこの騒動にまったく懲りていない様子で、予選で対戦するほかの相手国であるコスタリカ、ホンジュラス、エルサルバドル、トリニダード・トバゴの各国代表にも、ブードゥー人形キャンペーンを広げる予定だという。(c)AFP