【1月23日 AFP】17日にジャワ海(Java Sea)沖で、手製の簡易いかだに乗って洋上を1週間漂流していたインドネシア人の漁師3人が、オーストラリアの家畜運搬船に救助されていた。この船を所有する豪家畜輸出会社ウェラード・ルーラル・エクスポーツ(Wellard Rural Exports)が22日、明らかにした。

 同社の運搬船ベクルクス号(MV Becrux)に救助された3人は乗組員らに、インドネシア沖で自分たちの漁船が1月10日に沈没して以来、洋上を漂っていたと語っている。

 ウェラードのSteve Meerwald取締役は「救助されたなんて彼らは幸運だ。今は雨期だから飲み水が手に入ったのだろう。真水がなければ生きていたとは思えない」とAFPの取材に語った。

 同氏は、ジャワ(Java)島とカリマンタン(Kalimantan)島の間を通る通常の主要航路から、3人が漂流していた地点は外れていたのに発見されたのは運が良かったと述べた。また、豪ABC放送の取材に対しは、「(漁師らが)食べ物を十分持っていたかどうかは分からない。彼らは脱水症状気味で強烈な空腹を訴えていたが、少々のかすり傷だけで、まともなボートなしに1週間も海を漂っていたにしては驚くほど元気だ」と語った。

 さらに同氏は3人が乗っていたいかだについて「何から作ったかは知らないが、とても安全な代物には見えない」と語った。沈没した船の残がいから3人で作ったものとみられ、浮きとしてロープでペットボトルが結わえ付けられていた。

 3人はベクルクス号で水と食事を与えられ、傷などの治療を受けた後、同船が入港したシンガポールで同国当局に身柄を引き渡された。沈没したとされる漁船にほかの乗組員がいたかどうかは不明のままだという。

 数日前には、サメが多数生息するオーストラリア北部沿岸沖の海域を、大きなアイスボックスに乗って漂流していたミャンマー人男性2人が救出されたという報道があったばかりだった。(c)AFP