【1月15日 AFP】200年の歴史を誇るスペインのプラド美術館(Prado Museum)所蔵の名画14作品が、13日からグーグル・アース(Google Earth)を使って超高解像度画像で閲覧できるようになった。国際的な主要美術館としては初の試み。

 グーグル・アースは、インターネット回線を用いて世界中の衛星・航空写真を見ることができるデジタル3D地図ソフトウェア。これを使用して今回オンライン閲覧が可能になったのは、プラド美術館所蔵の傑作である、ディエゴ・ベラスケス(Diego Velazquez)の『ラス・メニーナス(Las Meninas、女官たち)』、フランシスコ・デ・ゴヤ(Francisco de Goya)の『マドリード、1808年5月3日(El Tres de Mayo)』、ヒエロニムス・ボス(Hieronymus Bosch)の『快楽の園(The Garden of Earthly Delights)』。このほか、ルーベンス(Rubens)、ティツィアーノ(Titian)、レンブラント(Rembrandt)、エル・グレコ(El Greco)らの作品も見ることができる。

 パリ(Paris)のルーブル(Louvre)美術館なども、インターネットを利用して作品を拡大して見せるサービスを提供しているが、グーグル・アースではさらに細部まで見ることが可能だ。絵画を画素数14ギガピクセルで撮影した高解像度の写真数千枚を組み合わせている。

 利用者は最初に閲覧するとき、グーグル・アースをダウンロードしてパソコンにインストールする必要がある。このダウンロードは無料だが、高性能バージョンを使用する場合は購入しなければならない。

 虫眼鏡を使うときのようにキャンバスの表面を見るだけで、作品を楽しめる。美術館を訪れて肉眼で見るだけではわからない、筆の動きなどの詳細を知ることができる。

「テクノロージーが進歩したおかげで、世界中どこからでも作品を見ることができるようになる。デジタル画像は本物の代用にはならないが、人間の目だけではわからない部分を見ることが可能だ」と同美術館のMiguel Zugaza館長は語る。

 グーグルによれば、現時点では、そのほかの美術館にこの技術を適用する予定はないという。(c)AFP/Olivier Thibault