【12月18日 AFP】(一部更新)巨額金融詐欺事件で逮捕された、元ナスダック・ストック・マーケット(Nasdaq Stock Market、現ナスダックOMXグループ)会長のバーナード・マドフ(Bernard Madoff)容疑者(70)は17日、保釈金1000万ドル(約8億7000万円)に加え、自宅拘留や電子タグの装着などの厳しい保釈条件を受け入れた。これによって、11日の逮捕以後初めてとなるはずだった同容疑者の出廷は取り止められた。

 マドフ容疑者の詐欺事件の調査を行っている、米証券取引委員会(Securities and Exchange CommissionSEC)のクリストファー・コックス(Christopher Cox)委員長は16日夜、初期の内部調査では「非常にやっかいな問題」が明らかになったと語った。

 コックス委員長は、「少なくとも1999年から行われていたマドフ容疑者の詐欺行為について、信ぴょう性が高く、具体的な申し立てがくり返しSEC職員に寄せられていたものの、調査が実施されることは一度もなかった」ことが明らかになったと述べた。

 その上で、同事件について「マドフ容疑者やその家族、会社に接触・関係した全職員を調査対象にし、同容疑者の会社に関連するSEC職員の判断に対する影響などについても調査する」と語った。

 また、SECは、マドフ氏のめい、シャナ・マドフ(Shana Madoff)氏とSECの元弁護士、エリック・スワンソン(Eric Swanson)氏との関係についても捜査を進めていることを明らかにした。2人は2007年に結婚している。スワンソン氏は06年にSECを退職するまで、10年間にわたって上級調査官や検査官などを歴任していたという。

 今回の詐欺事件を突き止められなかったことについて、SECに対しては厳しい批判の声があがっている。(c)AFP/Sebastian Smith