【12月7日 AFP】ギリシャでは7日、首都アテネ(Athens)で前日15歳の少年が警官に射殺されたことに対し、若者を中心とする抗議行動が全土に広がり、一部では暴動化する事態も起こっている。

 アテネなど大都市の市中心部では前日から夜通し、数百人によるデモが行われている。アテネほか2都市では車両計20台が放火の被害にも遭った。

 抗議のきっかけとなった事件は前日6日、アテネの旧市街Exarchia地区で発生した。警官2人が乗った警察車両に石などを投げつけた若者たち約30人に警官の1人が発砲、そのうち3発がAndreas Grigoropoulosさん(15)に当たった。Grigoropoulosさんは病院に急送されたがすでに死亡していた。

 現場となったアテネ旧市街では住民が中心となり、警察の「恣意的な」行動と、コスタス・カラマンリス(Costas Caramanlis)首相率いる右派政権に対する抗議が叫ばれた。若者と警察との衝突が頻繁に起きている同地区中心部では、少年の死に新たな怒りが広まり、若者たちはごみ箱を燃やすなどした。

 さらに北はテッサロニキ(Salonika)から南はパトラス(Patras)でも抗議行動が起こっている。デモの参加者たちは銀行を標的にし、警察によるとアテネで17店、テッサロニキ(Salonika)で5店が破壊された。

 プロコピス・パブロプロス(Prokopis Pavlopoulos)内相とギリシャ警察は、少年の死について「深い遺憾」を表明し、検察官3人が率いるチームを任命して調査に当たるよう命じた。また同内相は辞任を申し出たが、首相に却下された。

 ギリシャでは1985年にも15歳の少年が警官に射殺されたことをきっかけに、アテネの同じExarchia地区で警官隊と極左の若者たちが衝突する事態に発展したことがある。(c)AFP