【12月3日 AFP】絶滅が危惧(きぐ)されるゴリラは来年、ひときわ目立つ存在になる。国連が1日、ゴリラの生息地が危機にさらされていることを周知させる目的で、2009年を「国際ゴリラ年」とすることを宣言したためだ。

 ゴリラ年は、同日ローマ(Rome)で開幕したボン条約(移動性野生動物の種の保全に関する条約)締約国会議(UN Convention of Migratory Species)で宣言された。同日、ポーランドのポズナニ(Poznan)で国連気候変動枠組条約(UN Framework Convention on Climate ChangeUNFCCC)第14回締約国会議(COP14)も開幕した。

 ボン条約締約国会議に出席した国連専門家のJohn Mshelbwala氏は、記者会見で2つの会議の同時開催に言及し、地球温暖化と種の保存を同時に取り組むことの利点を強調した。

 記者会見に同席した国連環境計画(UN Environment ProgrammeUNEP)の専門家、イアン・レドモンド(Ian Redmond)氏は、「ゴリラは森の樹木を刈ったり、糞(ふん)で植物の種をまいたりする、いわば『森の守護者』だ。ゴリラ年は、ゴリラだけではなく、ゴリラが生息する森を守ることも意味している」と話した。

 世界的に有名な英国の霊長類学者、ジェーン・グドール(Jane Goodall)氏は、「人類のいとこであるゴリラというすばらしい動物たちの未来を確実なものにするためにも、持てる力を発揮して今こそ結集する時だ」との声明を発表した。

 国連は過去にも、国際カメ年や国際イルカ年といったキャンペーン活動を展開している。(c)AFP