【11月24日 AFP】17年ぶりにリリースされた米ロックバンド、ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N' Roses)のニューアルバムに関連するウェブサイトが、中国でアクセス妨害されているという。

 日本では22日に発売されたこのアルバムは、その名も『チャイニーズ・デモクラシー(Chinese Democracy、中国の民主主義の意)』。同アルバムの公式サイト「chinesedemocracy.com」が中国では閲覧不可能となっているほか、同国インターネット検索エンジン大手の百度(Baidu)が『チャイニーズ・デモクラシー』に関する検索をブロックしているという。

 しかし、同アルバムやアクセス妨害に関する報道について尋ねられた中国文化省広報官は「初めて聞いた。検閲の真偽は分からないが、うわさではないだろうか」と答え、同アルバムに関する世界的な騒ぎを同省では気にしていないというそぶりだ。

 ただし、現地時間24日朝の時点では、米ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)大手マイスペース(MySpace)であれば、中国のユーザーたちも同アルバム収録の14曲を視聴できたほか、ガンズ・アンド・ローゼズの公式サイトもアクセス可能で、各ブログでもこのアルバムについて中国のファンたちが自由に語っていた。

 ブロガーたちの意見はさまざまだ。「ガンズ・アンド・ローゼズは中国に対し、誤った軽蔑的な見方をしている」と書く者もいれば、「アルバムの名前だけで判断すべきでない。実際に曲を聞いて理解し、考えようとしたのか」と、冷静な態度を訴えるファンもいる。

 さらに「グリーン・デイ(Green Day)のアルバムには『アメリカン・イディオット(American Idiot、アメリカの能なしの意)』というのだってある。しかし『チャイニーズ・イディオット(Chinese Idiot、中国の能なしの意)』なんていうアルバムを出すバンドがあれば、その内容に関わらず、中国の愛国者たちは激怒するだろう」と違う視点を示す者もいたが、反射的に怒りの反応を示すのは適当でないという意見が大半だった。

  同アルバムの公式サイトでは「中国人にもサイトへのアクセスが許可されるべきか」という質問が掲載され、回答者の70%が「そう思う」と答えている。(c)AFP

『チャイニーズ・デモクラシー』の公式ウェブサイト(英語)