【11月22日 AFP】ネパールで「ブッダの生まれ変わり」と呼ばれる少年が、約1年半ぶりに姿を現し11日以降、説法や集会を行っていたが、警察は22日、少年は瞑想(めいそう)するためジャングルの奥へ戻っていったと発表した。
 
「ブッダ少年」として知られるラム・バハダール・ボムジャン(Ram Bahadur Bomjam)君(18)は2005年、数か月にわたり食糧も水も口にせず、睡眠もとらずに瞑想を続けていると支持者らが明かし、有名になった。

「ボムジャンは21日夜、ジャングルに戻っていった。彼を信じる者たちも全員、解散した」と首都カトマンズ(Kathmandu)南方60キロにあるバラ(Bara)地区Neejgadの警察官はAFPに語った。

 2007年3月に支持者らが、ボムジャン君は今後3年間地下壕で瞑想生活を送ると発表したが、隠遁生活の間も少年の姿は2回ほど目撃されていた。今月11日に人びとの前に姿を現した後10日間にわたり、毎日深いジャングルに集まってくる「信者」ら数千人に祝福を与えた。

 しかし、カトマンズにある仏教研究機関、ネパール仏教者評議会(Nepal Buddhist Council)のMahiswor Raj Bajracharya議長は少年が仏教の開祖、ゴータマ・シッダールタ(Gautama Siddartha)の生まれ変わりだという説に疑問を呈している。「彼はブッダの資質を備えていない。瞑想によって非常に高いレベルに到達したのかもしれないが、それだけではブッダとは言えない。ブッダには人生経験が必要だ。社会経験がまったくない若者はブッダにはなりえない」

 しかし、少年の集会を主催した支持者らの組織「ブッダ・ジャングルの瞑想を保護し発展させる会(Buddha Jungle Meditation Conservation and Prosperity Committee)」のBed Bahadur Thing代表は「彼が飲食するところをまったく見たことがない」と、少年がブッダであることを確信する。

 しかし、少年の人気に注目したフランスのテレビ局は、少年が果物を食べているところを撮影し、AFPの特派員も昼寝している少年の姿をとらえている。(c)AFP