【11月18日 AFP】環境省と東京海洋大学(Tokyo University of Marine Science and Technology)が、数千個のサンゴの赤ちゃんを海底に移植する方法で、沖縄県・石西礁湖にある日本最大のサンゴ礁の大規模な再生事業に取り組む。

 石垣島、西表島にまたがる石西礁湖のサンゴ礁は、海水温の上昇やサンゴを捕食するヒトデの増殖により、過去20年間で8割も減少している。

 12月に着手する予定の計画では、600平方メートルに渡り、サンゴの赤ちゃん6000個程度を海底に移植する。赤ちゃんは、直径4センチの円形セラミックベッドで18か月間飼育したもので、ベッドの脚部を海底に差し込む方法で移植する。

 岡本峰雄(Mineo Okamoto)准教授によると、サンゴ礁を人工的に再生する試みは世界でも初めてで、10年後のサンゴ礁完全再生を目指すという。

 今回の計画に先立ち2006年にも、サンゴの赤ちゃん5300個の移植が試みられたが、台風の影響などで多くが損傷・死滅。生残しているのは3分の1程度に過ぎない。しかし、この試みを通じて、移植に適した場所、生存条件など、今回の計画に基となる多くの教訓が得られたという。 
 
 実験チームは、サンゴ礁再生計画が成功した場合は、この手法を他国でも導入する考えで、既にインドネシアで準備を進めているという。(c)AFP