【10月31日 AFP】ウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)や、テニスのウィンブルドン(Wimbledon)選手権の名物ストロベリー・クリームなどと同様に、勇気ある敗北者への応援がスポーツ文化の一部となっている英国で、39歳のボクシング選手、ピーター・バックリー(Peter Buckley)が最後の試合に臨もうとしている。

 通算256敗、5年間にわたって負け続けて88連敗中のバックリー選手は、将来有望な選手への「当て馬」として生計を立ててきた。今までに、実に42人の欧州チャンピオン、英国チャンピオン、コモンウェルス(英連邦)チャンピオンらが、タイトル戦への途上でバックリー選手と戦い、バックリー選手を倒してきた。

 しかし、長年にわたって「人間サンドバック」として扱われてきたバックリー選手も、ついにグローブを外して引退を決意したという。

 バックリー選手は31日、イングランド中部バーミンガム(Birmingham)で、プロ選手として現役最後となる300戦目のリングに上がる。(c)AFP/Julian Guyer