【10月30日 AFP】ベネズエラは30日、同国初となる通信衛星「シモン・ボリバル(Simon BolivarVenesat-1)」を、中国の全面的な技術支援の下、中国・四川(Sichuan)省の西昌衛星発射センター(Xichang Satellite Launching Centre)から打ち上げた。

「シモン・ボリバル」は南米独立の英雄の名。ベネズエラのウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領は、「社会主義が生み出した」通信衛星であり、南米の統合の象徴だと称賛した。

 隣国ボリビアのエボ・モラレス(Evo Morales)大統領を招いてベネズエラ北部の人工衛星管制センターで打ち上げを見守ったチャベス大統領は、「資本主義国は金儲けのために衛星を打ち上げるが、これ(シモン・ボリバル)は自由と独立による事業だ」「この衛星はベネズエラのものではなく、南米とカリブ海諸国の人々すべてのものだ」などと述べ、打ち上げを「技術格差」を打ち破る快挙と位置づけた。

 ベネズエラのNuris Orihuela科学技術相によると、シモン・ボリバルの運用期間は15年で、ベネズエラやその「兄弟国」で電気通信の効率化や、「識字能力や遠隔医療のような社会計画」の発展に貢献する予定だという。(c)AFP