【10月22日 AFP】(一部更新)コートジボワールのアビジャン(Abidjan)で21日、2006年アビジャンに有毒廃棄物を不法投棄したとして毒殺、共謀、環境・公衆安全法違反などの罪に問われている被告らに対する公判が開かれ、検察側は2被告に終身刑、5被告に禁固20年を求刑した。

 この事件は、2006年8月、オランダの多国籍貿易企業トラフィグラ(Trafigura)がチャーターしたパナマ船籍のプロボコアラ号(Probo Koala)が、数百トンの有毒廃棄物をアビジャンの港に運び、市内各所へ不法に投棄したもの。この廃棄物から発生した有毒ガスにより、17人が死亡、数千人が呼吸困難や吐き気などの体調不良を訴え、地元住民たちが一時避難する騒ぎにもなった。

 終身刑を求刑されたのは、Salomon UgborugboとEssoin Kouaoの2被告。Ugborugbo被告は、廃棄物の投棄に使用されたトラックを手配したとされるトミー社の社長。Kouao被告は、アビジャン港湾事務所の職員で、トミー社がトラフィグラと契約を結べるように口ききしたとされる。

 検察側は「今回の求刑により、有毒廃棄物をコートジボワールに再び廃棄することを考えている人々に対し、そうしたことは許されないという『強いメッセージ』を発信したい」と話した。

 トラフィグラは前年2月、コートジボワール政府に1億5200万ユーロ(約200億円)の損害賠償を支払うことで合意した。このとき免責が条件とされたため、本事件に関し同社幹部は1人も訴追されておらず、同社も法的責任を一切認めていない。(c)AFP