【10月18日 AFP】象牙の競売が、今月28日から南部アフリカ4か国で開催される。9年ぶりとなる今回の競売では、開催各国の政府が所有する象牙在庫100トン以上が出品される予定だ。動物保護団体、国際動物福祉基金(International Fund for Animal WelfareIFAW)」が15日、明らかにした。

 絶滅の恐れがある野生動植物の国際取引に関する「ワシントン条約(Convention on International Trade in Endangered SpeciesCITES)」の締約国は7月、競売の開催を承認した。IFAWによると、今月28日のナミビア(9トン)を皮切りに、31日にボツワナ(44トン)、11月3日にジンバブエ(4トン)、同6日に南アフリカ(51トン)で、競売が開かれる。

 CITESは1989年に象牙の取引を全面禁止したが、南部アフリカ諸国のゾウの生息数が回復し頭数管理も行き届いているとの理由から、各国政府が保管する象牙在庫に限っての取引を認めた。CITESによると、収益金はすべて、ゾウの保護活動のために使われる予定だ。第1回は1999年に開催され、このときの収益金は500万ドル(約5億円)にのぼった。

 CITESが7月に競売への中国の参加を認めたことで、前回の競売にも参加した日本と並び、最大の買い手となることが予想される。

 象牙在庫は自然死したり間引きされたゾウから採取されたものだというが、IFAWは、たとえ合法的に行われる競売であっても、密猟の横行を招くのではないかと懸念している。(c)AFP