【10月10日 AFP】スイス最高裁は8日、同国内で動物の緊急輸送を行う車両に、赤色灯とサイレンを装備することはできないとする判断を下した。今後スイスの獣医師は、患者の動物を「静かに急いで」運ばなければならない。

 この決定は、あるスイス人獣医師が、近隣のオーストリアやドイツ、フランスでは動物を搬送する車両に赤色灯とサイレンの装備が許可されているとして、スイスでも同様の装備を行う許可を当局に求めていた件に対して下されたもの。

 同裁判所は、「交通安全の維持は病気やけがをした動物の緊急輸送の必要性に勝る」との見解を示し、交通安全上の理由から獣医師の訴えを退けた。

 動物福祉政策を促進しているスイスでは、同分野で厳しい規制が設けられている。今年になってからも、金魚を水洗トイレに流してはならない、ヤクとラマはつがいでの飼育が必要、ブタには定期的にシャワーを浴びさせる必要があるなど、動物の飼い主に対する一連の規制が新たに設けられている。(c)AFP