【10月5日 AFP】ロシア軍は5日、グルジアの南オセチア(South Ossetia)自治州をめぐり8月に発生したグルジア紛争発生後初めて、グルジアに設置していた監視所1か所を撤去した。

 欧州連合(EU)の報道官はAFPに対し、EUの停戦監視団が、グルジア・ゴリ(Gori)北西のアリ(Ali)にあるロシア軍監視所の撤去作業を確認したと述べた。

 3日に南オセチアのロシア軍駐留地でロシア兵8人が死亡する爆破事件が起きたことから、グルジアと米国の政府関係者はロシア軍が撤退を延期する可能性を指摘していた。しかし南オセチア周辺の緩衝地域やグルジア西部のほかの監視所でも撤去の準備作業が確認されており、ロシア軍が撤退を開始したものとみられる。

 EUが仲介した停戦協定に基づき、ロシア軍は10日までに南オセチア自治州とアブハジア(Abkhazia)自治共和国周辺の緩衝地帯から撤退する予定となっている。

 グルジア内務省のショタ・ウチアシビリ(Shota Utiashvili)報道官は、ロシア兵20-30人が駐在していたアリ監視所が撤去されたことで「全面撤退が始まったように思える」と楽観的な見方を示すとともに、グルジア警察が同地に速やかに配置されると述べた。

 アリ監視所は緩衝地帯の南西端、南オセチアとグルジアの事実上の境界から約15キロの地点にある。

 前週1日にEU監視団が派遣された時点では、南オセチアとアブハジア以外のグルジア領内にロシア軍800人が残留し、アブハジア周辺10か所、南オセチア周辺8か所で野営していた。

 3日の南オセチアでの爆発事件についてロシアは4日、グルジアの治安部隊の犯行だと非難した。一方のグルジア政府は事件への関与を否定し、この事件はロシア軍撤退を阻止するための挑発だと主張するなど両国間の緊張は依然として続いている。(c)AFP/Michael Mainville