【9月21日 AFP】国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)のモハメド・エルバラダイ(Mohamed ElBaradei)事務局長が来年退任するが、後継の次期事務局長に南アフリカと日本が意欲を示している。IAEA外交官筋が伝えた。

 南アフリカは前週、同国IAEA大使のAbdul Samad Minty氏を事務局長候補として正式に指名した。1995年以来南アフリカIAEA大使を務めてきたMinty氏は、核軍縮の主導者の1人として知られている。また同氏は、全ての国が核技術を利用する権利があると主張している。

 一方、日本政府はまだ候補者の名前を挙げていないが、多くのIAEA関係者によると、天野之弥(Yukiya Amano)駐ウィーン国際機関日本代表部大使が候補となるとみられている。天野大使は外務省で、総合外交政策局の軍縮不拡散・科学部長などを歴任している。

 また、IAEAナンバー2のオリ・ハイノネン(Olli Heinonen)事務次長の立候補も取りざたされている。外交筋によると、オランダのハーグ(Hague)にある化学兵器禁止機関(Organization for the Prohibition of Cehmical WeaponsOPCW)のロヘリオ・フィルテル(Rogelio Pfirter)技術事務局長(アルゼンチン)が立候補する可能性もあるという。

 IAEA理事国35か国は、通例9月に行っている総会を次週開催するが、エルバラダイ氏の後継者については10月6日に予定されている特別会議まで協議しない。

 10月の会議で理事会が次期事務局長選出の方法を承認し、実質的にポストをめぐる競争が開始する。立候補の届け出期限は12月31日になるとみられ、遅くとも来年6月には次期事務局長が選出される予定。その後、来年度の総会で最終承認を受ける。

 1997年より3期にわたり事務局長を務めてきたエルバラダイ氏は、4期目には立候補しない意向が9月初頭に伝えられていた。(c)AFP/Simon Morgan