【9月17日 AFP】競売大手サザビーズ(Sotheby's)がロンドン(London)で15-16日に開催した英国人アーティスト、ダミアン・ハースト(Damien Hirst)氏(43)の作品223点のオークションは、落札総額が1億1100万ポンド(約211億円)に達し、1人の芸術家の作品落札総額としては最高記録を樹立した。

 1993年にパブロ・ピカソ(Pablo Picasso)の作品88点が総額2000万ドル(約21億円)で落札されたのが、過去の最高記録だった。

 今回のオークションは、芸術家が画廊を通さずに直接出品するという、アート史上極めて珍しい手法にも注目が集まっていた。オークションに先駆けて開かれた11日間の展示会には2万1000人が来場した。

 注目作の子牛のホルマリン漬け「The Golden Calf」は1030万ポンド(約19億円)で落札され、ハーストの作品としては最高額となった。さらに子馬のホルマリン漬け「The Dream」は230万ポンド(約4億4000万円)、「Reincarnated」と題されたチョウを題材にした作品は予想落札額の2倍以上の160万ポンド(約3億円)の値を付けた。

 米証券大手リーマン・ブラザーズ(Lehman Brothers)が経営破たんした影響で世界的に金融不安が広がる中、開かれた今回のオークションは、アートにお金をかけようとする人はまだいくらでもいることを証明した。(c)AFP