【9月3日 AFP】(一部更新)アフガニスタンで非政府組織(NGO)「ペシャワール会」の伊藤和也さん(31)が拉致・殺害された事件で、アフガニスタン情報当局は3日、事件に関与したとして逮捕したパキスタン国籍の男が、パキスタン情報機関に雇われて拉致に協力したと供述したと発表した。

 アフガニスタン国家治安局(National Directorate for SecurityNDS)の公式発表によると、逮捕したアディル・シャー(Adil Shah)容疑者が、パキスタン北西辺境州(North West Frontier Province)でイスラム神学校に通っていた。シャー容疑者は、パキスタンの3軍統合情報部(ISIInter-Services Intelligence)に雇われてアフガニスタン人3人とともに活動していたと供述していることを明らかにした。

 NDSの発表は、「アディル・シャー容疑者は、取り調べに対し、パキスタンISIが日本人スタッフの拉致・殺害を計画・実行したと供述した。また、アディル・シャー容疑者らのグループが多額の報酬を受け取った」と述べている。

 伊藤和也さんは、8月26日にパキスタン国境から50キロの距離にあるアフガニスタン東部ナンガハル(Nangarhar)州で拉致され、翌27日に遺体で発見された。

 伊藤さんの拉致については、1996年から2001年までアフガニスタンで政権の座に就いていたイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)が犯行声明を出していた。伊藤さんは、殺害されるまで、5年にわたってアフガニスタン国内で活動していた。(c)AFP