【9月2日 AFP】古代エジプトの若き王ツタンカーメン(Tutankhamun)の墓で発見された胎児のミイラ2体が双子で、ツタンカーメンの子どもである可能性が高いとの報告を1日、英国の研究者が発表した。

 発表したのは英リバプール大学(University of Liverpool)自然人類学部のロバート・コノリー(Robert Connolly)教授で、胎児2体のDNA鑑定を行った。コノリー教授は1960年代に初めてツタンカーメンのミイラの鑑定を行い、今回、エジプト考古最高評議会(Egyptian Supreme Council of AntiquitiesSCA)から胎児のミイラ鑑定を依頼されていた。

 2日に英マンチェスター大学(University of Manchester)で行われる鑑定報告では、3300年前ごろに19歳の若さで死亡した伝説的なファラオ(古代エジプト王)に関する「胸躍る」考察を発表すると、同教授は意気込んでいる。
 
 コノリー教授によると、1979年に大きい方の胎児のミイラから採取した血液データと、1969年にツタンカーメンのミイラから採取したデータを比較したところ、胎児はツタンカーメンの若い妻、アンケセナーメン(Ankhesenpamon)の子どもである可能性が浮上した。2体のミイラは身長などは異なるが、王妃が同時期に妊娠した双子と考えるのが自然で、よって2人共ツタンカーメンの子どもである可能性が高いという。

 ツタンカーメンと胎児らのミイラは、英国人の考古学者ハワード・カーター(Howard Carter)が1922年、ナイル川(Nile River)沿岸のルクソール(Luxor)で王の墓を発見した際に同時に見つかった。以来、胎児のミイラはカイロ大学(University of Cairo)に保管されている。

 胎児たちの母親と推測されるアンケセナーメンは、絶世の美女として名高いネフェルティティ(Nefertiti)王妃の娘だったとされる。(c)AFP