【8月22日 AFP】(23日写真追加)米オハイオ州立大学(Ohio State University)バード極地研究センター(Byrd Polar Research Center)の氷河学チームは21日、地球温暖化の影響で、7月にグリーンランド最大の2つの氷河からさらに氷が消失したと発表した。

 同センターの研究チームは、米航空宇宙局(NASA)の日ごとの衛星画像と、グリーンランドの氷河を監視しているカメラで定期的に撮影している写真から、氷河の崩落を観測した。

 オハイオ州立大学(Ohio State University)のジェーソン・ボックス(Jason Box)教授(地理学)によると、7月10日から24日の間に、グリーンランド北部のペテアマン氷河(Petermann Glacier)から29平方キロの巨大な氷塊が崩落。その規模は、米ニューヨーク(New York)・マンハッタン(Manhattan)の約半分に相当する。

 ペテアマン氷河で最後に大規模な氷塊消失が起きたのは2000-01年の間で、86平方キロの氷塊が失われた。

 さらに懸念されるのは、ペテアマン氷河の縁からかなり内陸に亀裂が観測されたことだ。間もなく大規模な崩落が起こり、氷河の3分の1に当たる160平方キロの氷が失われる可能性もあるという。

 また、ヤコブスハン氷河(Jakobshavn Glacier)でも、過去150年の観測史上最大規模で、縁が内陸に後退しているという。研究チームによると、少なくとも過去4000-6000年で、これほど後退したことはなかったはずだという。

 ヤコブスハン北方の支流は過去数週間で崩落しており、前回の融解の時期から少なくとも10平方キロの氷塊が失われたという。(c)AFP