【8月19日 AFP】8月末に行われる米民主党大会で大統領候補への指名が確実視されているバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員は、早ければ20日にも自らのパートナーとなる副大統領候補を指名するとみられている。

 米ニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙によると、オバマ氏は依然、心の内を明かしていないが、バージニア(Virginia)州知事のティム・ケーン(Tim Kaine)氏、インディアナ(Indiana)州選出のエバン・バイ(Evan Bayh)上院議員、デラウェア(Delaware)州選出で上院外交委員会委員長を務める外交通のジョー・バイデン(Joe Biden)上院議員に絞られていると伝えている。

 コロラド州デンバーで開催される民主党大会をまさしく1週間後に控えた19日、オバマ氏がフロリダ州(Florida)のオーランド(Orlando)で海外戦争退役軍人協会(Veterans of Foreign WarsVFW)の年次総会に出席する中、副大統領候補に関する新たな憶測が飛び交った。

■誕生日発表を狙うマケイン氏、史上初メールで公表かオバマ氏

 共和党側でも同じく、大統領候補となることが確実視されているジョン・マケイン(John McCain)上院議員が誰を副大統領候補に指名するかに注目が集まっている。政治専門ウェブサイトのPoliticoと米FOXニュース(Fox News)は、民主党大会でオバマ氏の指名が決まる翌日の29日に、マケイン氏が自らの副大統領候補を発表するとしている。この日はマケイン氏の72歳の誕生日でもあり、民主党大会直後にオバマ氏のメディアへの露出を抑制する効果も期待できるからだ。9月1日からミネソタ(Minnesota)州セントポール(St Paul)で開催される共和党大会の直前でもあり、絶好のタイミングだといえるだろう。

 ニューヨーク・タイムズはウェブサイト版で、オバマ氏のある顧問の匿名の談話として、オバマ氏は前週ハワイでの休暇中に副大統領候補を誰にするかの結論にすでに達しており陣営は現在、指名発表について最終調整している段階だと述べた。

 オバマ陣営によると、副大統領候補の発表は前例のない方法で行う予定で、まず支持者らの草の根ネットワークに電子メールもしくは携帯電話のテキスト・メッセージで送信するという。その発表後に、指名した副大統領候補と全国遊説に乗り出すとしている。関係者が同紙に語ったところによると、副大統領候補は早ければ20日中、遅くとも22日までには発表される見込みだ。

■副大統領候補3人の特徴は?

 同紙は名前を挙げた有力候補3人についてそれぞれ分析した。激戦地バージニア州でオバマ氏勝利を有利に導くとみられるケーン氏は、白人労働者階級の支持を集めることが期待できるが、外交経験には乏しい。

 一方、上院外交委員会委員長のバイデン氏は、安全保障分野におけるオバマ氏の経験不足を補うとみられている。バイデン氏はロシアとの武力衝突が続くグルジア視察から帰国したばかりで、グルジア政府に対するロシアの攻撃を強く非難する声明を早速発表したところだ。

 バイ氏は、やはり共和党との激戦地で鍵となるとみられるインディアナ州の選出。バイデン氏に劣らず外交経験は豊富だ。オバマ氏と民主党指名を争ったヒラリー・クリントン( Hillary Clinton)上院議員の盟友であり、オバマ氏が指名するとなれば民主党の結束を演出できるだろう。クリントン議員自身は、支持者たちの期待もむなしく副大統領候補のリストから外れている。

 ニューヨーク・タイムズ紙の報道について、オバマ陣営は現在までのところコメントをしていない。(c)AFP