【8月8日 AFP】(一部更新、写真追加)グルジア内務省は8日、ロシア軍の戦闘機3機がグルジア領内の軍事拠点を爆撃したとAFP記者に明かした。

 内務省報道官によると、「ロシアのスホイ24(Sukhoi24)3機が8日、グルジアの領空を侵犯した。そのうち1機が(南オセチアに近い)Kareliの警察署付近に爆弾2発を落とした」という。

 グルジアからの分離独立を主張する南オセチア(South Ossetia)自治州に対し、グルジア軍は同日未明、州都ツヒンバリ(Tskhinvali)を包囲、地上からのミサイル攻撃のほか空爆も行っている。

 これを受けて、ロシアの要請で米東部時間7日午後11時(日本時間8日正午)から開かれていた国連安全保障理事会(UN Security Council)の緊急会合は、ロシアが提案したグルジアと南オセチアの双方に武力行使の即時停止と交渉の再開を求める報道向け声明に合意できないまま終了している。

 インタファクス(Interfax)通信によると、ツヒンバリで平和維持活動に当たっていたロシア軍の拠点がグルジア軍の「砲撃を受け」、兵士数人が死亡した。これを受けてロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相は、グルジア軍の「攻撃的な行為」を非難するとともに、報復を行う可能性に言及した。

 グルジア側は、ロシアが南オセチアを占領しようとしていると非難している。グルジアのミハイル・サーカシビリ(Mikheil Saakashvili)大統領は、南オセチアの大部分が「解放された」と述べるとともに、ロシアに対しグルジアの都市に対する空爆を止めるよう求めた。その後、グルジアの首都トビリシ(Tbilisi)の Gigi Ugulava 市長は同国のテレビに対し、8日午後3時から午後6時(日本時間同日午後8時から午後11時)まで攻撃を停止し、分離主義派の戦闘員には恩赦を与えると述べた。

 一方、ロシア外務省の報道官は「ロシアの航空機がグルジア領空を飛行したり、撃墜されたなどとという情報は事実に基づいていない」と語り、グルジアの主張を否定した。(c)AFP