【7月19日 AFP】米シティグループ(Citigroup)は18日、4-6月決算を発表した。最終損益は24億9500万ドル(約2670億円)の赤字だった。

 世界最大の銀行の1つである同行は、主に不動産市況の悪化による証券と銀行業の不振により72億ドル(約7700億円)の評価損を追加計上した。信用力の弱い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題が表面化してからの損失の合計は約500億ドル(約5兆3500億円)を超えた。

 しかし、1株当たりの赤字は54セント(約57円)となり、1株当たり61セント(約65円)の損失を予測していたウォールストリートのアナリスト予測ほど悪くはなかった。Briefing.comのアナリストは、シティグループの4-6月決算はアナリスト予想の平均を上回り、同期に業績が改善したことを示していると述べた。

 一方、証券大手メリルリンチ(Merrill Lynch)は17日、最終損益が48億9000万ドル(約5230億円)の赤字で、90億ドル(約9600億円)を超える損失処理を行ったという4-6月期決算を発表した。しかしアナリストは、銀行セクターの今後の見通しは改善し、リスクの高い不動産取引による業績不振は終結に近づいていると指摘する。今週、JPモルガン・チェース(JP Morgan Chase)と、ウェルズ・ファーゴ(Wells Fargo)が発表した4-6月期決算は、いずれも前年同期比大幅減益ながら黒字を確保し、ウォールストリートの予測よりもよい内容だった。

 シティバンク(Citibank)の純損失は、62億ドル(約6630億円)の黒字だった前年同期から大きく悪化した。4-6月期の収益は29%減の187億ドル(約1兆9900億円)となった。前年12月に就任したヴィクラム・パンディット(Vikram Pandit)最高経営責任者(CEO)は、非中核事業の売却により財務を改善し、今後も中核事業の強化を図ると語る。

「第2四半期の損失は第1四半期に比べて半減した。信用コストは第1四半期に比べ20%上昇したが、証券と銀行ビジネスの損失処理額は42%減少した。人員と経費の削減も継続している。今後も課題は多いが、業績回復に向けた取り組みの成果が見られたことで自信を感じている」(パンディットCEO)

 シティグループは年金資産管理サービス会社シティストリート(CitiStreet)やドイツのリテールバンキング事業などを売却している。また第2四半期に6000人の人員削減を行い、今年に入ってからの人員削減は合計で1万1000人となった。一連のリストラ策によりシティグループが売却した資産は約990億ドル(約10兆5900億円)に上る。(c)AFP