【7月4日 AFP】女性として生まれ性転換手術を受けて男性となった米国人のトーマス・ビーティー(Thomas Beatie)さん(34)が3日、オレゴン(Oregon)州ベンド(Bend)で女児を出産した。米ABCニュース(ABC News)が報じた。詳細は明らかにされていない。

 ビーティーさんは法的には男性で、胸部の整形手術を行い男性ホルモン療法を受けていたが、女性生殖器は残していた。

 今年3月、ビーティーさんの妊娠が米国のゲイ雑誌「Advocate」に投稿したエッセイ「愛の労苦(Labor of Love)」で告白されると、世界中の注目が集まった。

 エッセイによると、ビーティーさんと妻のナンシー(Nancy)さんは医療関係者、友人、家族からの反対にあっていたという。ある医師は、倫理委員会で協議した末、2人の治療を拒否した。「わたしたちは、法的にも、政治的にも、社会的にも未知の領域に足を踏み入れた」とビーティーさん。

 ビーティーさんは当時の心境について、次のように書いている。「『妊娠した男性』でいるのは、どんな気分かって? 信じられないって感じだ。新しい命が成長するにつれてお腹も大きくなっているけど、精神的には落ち着いているし、自分が男性だという自信もある」 (c)AFP