【6月30日 AFP】イスラム教を冒涜(ぼうとく)する内容の小説を著したとしてイスラム過激派から死刑宣告を受け、亡命生活を送っているバングラデシュ人作家タスリマ・ナスリン(Taslima Nasreen)さん(45)が、7月1日にスウェーデンのストックホルム(Stockholm)で開催される「亡命作家の討論会」に出席することになった。亡命以来、公の場に姿を見せるのは初めて。

 主催者のWALTICWriters' and Literary Translators' International Congress)が29日発表したもので、討論会にはキプロスで亡命生活を送っているトルクメニスタン人作家Yusuf Azemounさんも出席する。しかし出席者の全氏名は、自国で脅迫を受けていることを考慮して、現時点では公表できないという。

 ナスリンさんは1994年、イスラム教国バングラデシュで迫害されるヒンズー教家族を描いた『ラッジャ(Lajja、恥)』で作家デビューした。ところがこの作品が「イスラム教を冒涜(ぼうとく)した」としてイスラム過激派から殺害予告を受け、母国を離れてインドのコルカタ(Kolkata)で亡命生活を送っていた。

 今年3月に、インド政府の要請によりインドからの出国を余儀なくされ、最近スウェーデンのウプサラ(Uppsala)に2年間滞在することが認められたばかりだ。

 討論会では、「危険な追求」をスローガンに、「言論の自由が制限されている場合に作家は何ができるか? いかにして書き続けるか?」などについて意見が交わされるという。(c)AFP