【6月28日 AFP】ドイツ経済協力開発省は27日、ミュンヘン(Munich)に拠点を置く印刷大手ギーゼッケ・アンド・デブリエント(Giesecke and Devrient)に対し、ジンバブエに紙幣用紙の供給を停止するよう要請した。ロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領の体制の支援につながるとの懸念の広まりを受けたもの。

 同省報道官は記者会見で「ジンバブエの現体制は受け入れがたいものであり、紙幣用紙の供給はその体制に対する支援に当たるのではないかとの懸念が広がっている」と述べた。ハイデマリー・ウィチョレクツォイル(Heidemarie Wieczorek-Zeul)経済協力開発相がギーゼッケ社に対し「ただちに紙幣の輸出をやめるよう書面で要請」したという。

 現時点でギーゼッケ社からのコメントは得られていない。
 
 ジンバブエ経済は一時好況にわいたものの、近年は崩壊状態に陥っており、ムガベ政権はインフレ対策として高額紙幣を増刷している。

 インフレ率は公式には16万5000%とされているが、エコノミストらはそれをはるかに上回るはずだと指摘している。

 ジンバブエでは27日、大統領選挙の決選投票が行われた。野党・民主変革運動(Movement for Democratic ChangeMDC)のモーガン・ツァンギライ(Morgan Tsvangirai)議長が出馬を取り消したため、立候補しているのはロバート・ムガベ(Robert Mugabe)現大統領の1人だけ。欧州委員会(European Commission)は、この選挙は不正であり、その結果にはなんの意味もないと激しく非難している。(c)AFP