【6月20日 AFP】尖閣諸島(Senkaku Islands)・魚釣島沖で台湾の遊漁船が日本の巡視船と衝突し沈没した事故をめぐり、日本の在台窓口「交流協会」台北事務所の舟町仁志(Hitoshi Funamachi)副代表は20日、遊漁船の何鴻義(Ho Hung-yi)船長に対し通訳を通じて謝罪の意を述べた。

 台北(Taipei)県瑞芳(Rueifang)の何船長宅を訪れた舟町副代表は、謝罪するとともに、何船長に第11管区海上保安本部の那須秀雄(Hideo Nasu)本部長からのお詫びの手紙を手渡した。

 これをうけ、馬英九(Ma Ying-jeou)総統は、事件の解決を歓迎する声明を発表した。その一方で、「魚釣島の領有権や漁業権をめぐる問題は未解決だ」との認識も示した。

 また、周錫■(Chou Hsi-wei)台北県知事は、「生計の糧である漁船を失い、何船長の生活は困窮に瀕している」と述べ、日本側に何船長に対する賠償と事件の再発防止を要請した。(■は偉のニンベンを王に)

 沈没事故は、10日未明、尖閣諸島・魚釣島の南約11キロの日本領海内で、台湾の遊漁船「連合(Lien Ho)」号が領海警備中の巡視船「こしき」と衝突し沈没したもの。「こしき」は、遊漁船の乗員・乗客16人全員を救助した。救助された16人は事情聴取された後、全員が台湾に戻っている。(c)AFP