【5月31日 AFP】ブラジル政府は、外国資本に支配されたブラジル企業がアマゾン(Amazon)に土地を所有することを制限する法的な規制を検討していると、29日のフォリャ・ジ・サンパウロ(Folha de Sao Paulo)紙が伝えた。

 同紙によると国立開拓・農地改革院(National Institute for Agrarian ReformINCRA)は、ブラジル全土、特に55%の土地が外国人に所有されているアマゾンを対象とした対策を検討しているという。ブラジル連邦検察庁のRonaldo Jorge氏は「外国企業がブラジル企業と手を結んで、広大な土地を購入することに何の制約もない」と指摘する。
 
 INCRAのRolf Hackbart総裁は同紙のインタビューで、誰もがブラジルの土地を手に入れようとしていると語り、早急な規制導入の必要性を訴えた。INCRAによれば、INCRAに登録された5万5000平方キロの土地のうち、3万平方キロがブラジル籍ではない個人や企業によって所有されているという。

 Hackbart氏は2007年9月、AFPに対し「外国人排斥などではなく国家主権の問題だ。ブラジルほどの規模の国は、その領土の所有者を正確に把握しておく必要がある」と語っていた。

 Jose Antonio Dias Toffoliブラジル連邦総弁護庁長官も、外国人による土地所有の問題は深刻化しており法的な対処が必要だと述べ、ほとんどすべての西側諸国も土地取得に関して同様の規制を持っていることを指摘した。

 ブラジルはバイオ燃料の原料生産拠点としても注目を集めており、同国の土地に対する需要は急激に高まっている。(c)AFP