【5月17日 AFP】中東歴訪中のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は16日、サウジアラビアの首都リヤド(Riyadh)でアブドラ・ビン・アブドルアジズ(Abdullah bin Abdulaziz)国王と会談し、原油増産を要請したが、サウジ側は需給は均衡が取れており、市場の基礎的条件(ファンダメンタルズ)は健全だとの見方を示した。

 サウジのアリ・ヌアイミ(Ali al-Nuaimi)石油鉱物資源相は記者団に対し「供給と需要は均衡が取れている。市場の基礎的条件は健全だ」と述べた。ただ今月10日から約50の顧客からの要望に応えて原油生産量を日量30万バレル増量したことを明らかにした。この要望は主に米国からだという。また6月からの生産量は日量945万バレルとなるとした。サウジアラビア政府は原油価格の高騰の原因は供給不足ではなく投機によるものとみており、今回のヌアイミ氏の発言は政府の見解に沿ったものとなった。

 サウジ公式メディアによると会談ではパレスチナ問題、レバノンでの対立、イラク情勢などが話し合われたという。今年はサウジ・米国両国の外交関係樹立から75周年に当たる。

 ホワイトハウスはサウジの民生用原発と、イスラム教過激派の攻撃を受けている石油施設の安全強化で合意したと発表した。

 ブッシュ大統領は17日、最後の訪問国エジプトに向かう。(c)AFP/Laurent Lozano