【5月11日 AFP】レバノン北部で10日、欧米の支持を受ける反シリアの与党と親シリアの野党支持者の間で激しい戦闘があり、14人が死亡したほか、首都ベイルート(Beirut)では葬式会場が襲撃され、2人が死亡した。

 治安当局幹部が明らかにしたところによると与党・未来運動(Future Movement)支持派がハルバ(Halba)にあるシリア民族社会党(Syrian Social National Party)本部を制圧したという。この際、建物の中で7人が死亡した。

 アッカール(Akkar)県にあるハルバではイスラム教シーア(Shiite)派原理主義ヒズボラ(Hezbollah)および親シリア派政党の野党連合と、政府支持者の間で戦闘が続いている。

 これに先立ち北部では戦闘で5人が死亡したと報じられており、北部での死者数は民間人を含む14人となった。

 北部中心都市トリポリ(Tripoli)でも与野党支持者の衝突が発生しており、与党支持者が野党事務所を放火したり襲撃したりしている。キリスト教政党・自由愛国運動のミシェル・アウン(Michel Aoun)党首の事務所は軍の管理下にあるという。

 トリポリ北部の幹線道路では、シリアのアレッポ(Aleppo)からの労働者7人とレバノン南部出身の運転手が路上に検問所を設置した武装集団に襲われ負傷した。

 一方、病院関係者によると首都ベイルート(Beirut)で同日、武装集団が8日の戦闘で死亡した市民の葬式会場を襲撃し、2人が死亡、20人が負傷した。

 レバノンではスンニ(Sunni)派が多数を占める政府支持者とシーア派が多い野党支持者との戦闘が4日目に入り、死者数は34人となった。野党は西ベイルートを制圧しており、与党事務所は軍に引き渡されているという。(c)AFP