【5月9日 AFP】(写真追加、記事更新)サッカー、スペイン・リーガエスパニョーラ1部のFCバルセロナ(FC Barcelona)は、ホアン・ラポルタ(Joan Laporta)会長が8日、クラブの下部チームのFCバルセロナB(FC Barcelona B)で監督を務めるジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)氏が、フランク・ライカールト(Frank Rijkaard)監督に代わって2008-09シーズンからチームの指揮を執ることを発表した。

 7日に行われたレアル・マドリード(Real Madrid)との伝統の一戦『エル・クラシコ(el clasico)』で1-4と屈辱的な敗戦を喫してから24時間以内の決断だった。

 記者会見を行ったラポルタ会長は「クラブの経営陣は2007-08シーズン終了後にフランク・ライカールト監督を解任する決断を下した。そして後任にはジョゼップ・グアルディオラ氏が就任する。これまでライカールト監督は成功を収めてきたが、ここ2シーズンは残念ながら運に見放されてしまった」と話した。

 現在37歳のグアルディオラ氏は、現役時代はバルセロナで主将を務めるなど1990年から2001年にかけて250試合以上に出場し、6度のリーグ制覇に加え、1991-1992シーズンには欧州チャンピオンズリーグ(Champions League)を制した経歴を持つ。

 クラブはイングランド・プレミアリーグの前チェルシー(Chelsea)監督のジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)氏のような経験のある人物の誘惑に負けず、指導者としての経験は浅いグアルディオラ氏を高く評価し、新監督に指名した。

 ラポルタ会長は「グアルディオラ氏には知識と情熱に加え成功を収める自信に満ちている」と話した。

 一方のライカールト監督は、バルセロナで監督として過ごした5年間に別れを告げ、モウリーニョ氏と同様に、夏には新たな職探しをすることになる。

 現役引退後、ライカールト監督は母国オランダ代表やオランダ・エールディビジのスパルタ・ロッテルダム(Sparta Rotterdam)で監督を務めた後、2003-2004シーズンから当時チームとして過渡期を迎えていたバルセロナの監督に就任した。

 困難なスタートを切ったライカールト監督だが、2004-2005シーズンと2005-2006シーズンにリーグ2連覇を達成し、05-06シーズンには欧州チャンピオンズリーグも制覇した。

 しかし物事が悪い方向へと転回し始めた2006-2007シーズンに宿敵レアル・マドリードにリーグタイトルを奪還されると、2007-08シーズンも悪い流れは続き、レアル・マドリードにリーグ連覇を許す結果となってしまった。

 また第36節終了時点で、ビジャレアル(Villarreal CF)にリーグ2位の座を許してしまったバルセロナは、2008-09シーズンの欧州チャンピオンズリーグに出場するためにもシーズン残り2試合で4位以内を確保しなくてはならない。

 2シーズン連続でタイトルを逃したことで、バルセロナのファンはすでにライカールト体制に対して失格の烙印を押しており、クラブ幹部も行動を起こす決断を下した。

 グアルディオラ氏は、リオネル・メッシ(Lionel Messi)やボージャン・クルキッチ(Bojan Krkic)といった才能ある選手たちが集まるチームを引き継ぐことになるが、夏にはグアルディオラ氏の構想外となった選手たちの放出があることは確実とみられている。(c)AFP