【5月2日 AFP】中国の国営新華社(Xinhua)通信は2日、中国安徽省(Anhui)阜陽(Fuyang)で2日までに2946人が手足口病を引き起こすエンテロウイルス71型(EV71)に感染し、これまでに子ども21人が死亡したと伝えた。

 感染した子どもの大半は6歳以下で、感染者は4月30日以降だけで約500人も増えたという。これまでに879人が病院で治療を受け、うち9人は危篤、40人は重体だという。

 EV71の大流行は、子ども19人の死亡が伝えられた4月28日に初めて明らかになった。安徽省では3月初めから流行し始めており、国内メディアは当局が情報を隠ぺいしたと批判している。

 中国の保健当局は、早期発見と適切な治療で死亡率は下がるとして事態の沈静化に努める一方、感染拡大に警告を発している。隣の河南(Henan)省でも子ども16人が感染したとの報道があり不安は高まっている。

 世界保健機関(World Health OrganisationWHO)は4月30日、エンテロウイルスは世界各地に見られるありふれたウイルスだとしながらも、近年の例と比較して安徽省の死亡率が高いことに懸念を表明した。

 EV71は感染力が極めて強く、感染者の粘膜や唾液、排泄物などに接触することで感染するとされている。免疫力の弱い子どもなどは最も感染の危険が高い。EV71に感染すると、まず熱や水疱(すいほう)、口内炎、発疹(ほっしん)などの症状が現れるという。悪化すると脳や心臓、肺などに障害を引き起こすこともある。(c)AFP