【4月25日 AFP】中国を訪問中の欧州連合(EU)のジョゼ・マヌエル・バローゾ(Jose Manuel Barroso)欧州委員会(European Commission)委員長は25日、温家宝(Wen Jiabao)首相と会談後の記者会見で、チベット問題について「進展があるだろう」と語った。

 中国のチベット(Tibet)自治区ラサ(Lhasa)での暴動制圧を機に中国の人権状況への国際社会の厳しい眼差しが注がれるなか、巨大な市場を持つ中国との関係強化を期待する経済代表団を率いて中国を訪問したバローゾ委員長は、会談後の記者会見で、チベット問題について温首相と率直に話し合ったことを明かした。

「温首相にチベット問題でのEUの立場を再度説明したところ、良い感触を得た。近く進展がみられると期待している」(バローゾ委員長)

 また、EUはチベットを中国の一部と認識しており、この問題では中国を支持すると語った。さらに、いかなる形であれ北京五輪のボイコットには反対であるとの立場を表明した。

 バローゾ委員長と温首相との会談に先立ち、7月からEU議長国を務めるフランスのニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領は8月8日に行われる北京五輪の開会式への参加問題ではEU加盟国が歩調を合わせる必要があると述べている。サルコジ大統領は24日、自分自身が開会式に出席するかまだ決めていないと述べた。(c)AFP