【4月18日 AFP】米テキサス(Texas)州の一夫多妻制をうたう宗教団体「末日聖徒イエス・キリスト教会原理派(Fundamentalist Church of Jesus Christ of Latter Day SaintsFLDS)」の施設で、虐待されていたとみられる女性や子ども多数が保護された事件で、保護された子ども416人の今後が問題となっている。

 州裁判所には17日、保護された子どもの両親ら200人近くとその弁護士ら約350人が詰めかけ、健康記録の提出や、今回の件が信教の自由の侵害にあたるかといったことについて議論となった。

 妨害なども発生し、審理は中断。担当判事がいらだった様子で「裁判所は個人の宗教的行為や信教の自由を決定する場所ではない」「子どもたちが両親のもとに返されるべきなのか、施設の保護下に置く必要があるという十分な情報はあるのかを判断しようとしているのだ」などと述べた。

 テキサス州法は、子どもを保護した場合は14日以内に仮処分命令が、60日以内に正式な決定が下されなければならないと規定している。

 州児童保護局は、教団の施設から未成年の少女らが男性信者と法的根拠のない「精神的な結婚」をさせられていた証拠が見つかったとして、保護された子どもたち全員を州当局の保護下に置くよう求めている。

 一部の弁護士は、問題の男性信者が施設から退去した上で、児童保護局の監視下で子どもたちが母親と施設で居住することを認める妥協案を提示している。(c)AFP