【4月12日 AFP】来日中のフランスのフランソワ・フィヨン(Francois Fillon)首相は12日、青森県六ヶ所村に建設された使用済み核燃料再処理工場を視察に訪れた。青森市内と六ヶ所村では、デモ隊約700人が抗議活動を行った。

 日本原燃(Japan Nuclear FuelJNFL)とフランスの原子力大手「アレバ(AREVA)」が提携して建設された六ヶ所村の再処理工場は5月に操業を開始する予定だが、環境への影響や耐震性を危惧(きぐ)する声も上がっている。

 工場を訪れたフィヨン首相は、日仏両国は開発途上国と原子燃料リサイクル技術を共有する利点を追求すべきであり、新興国が民生用の核を保有する権利を手に入れるのを認めないのは「政治的過ち」だと述べた。甘利明(Akira Amari)経済産業相は、六ヶ所村の再処理工場が不可欠だと述べた。

 国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)は、六ヶ所村の再処理工場が、「日本が安全でクリーンなエネルギーの未来に向かうための、最も大きく最も危険な障害」だと非難した。

 活断層の活動による地震の発生にも懸念が持たれている。活断層研究センター(Active Fault Research Center)の作成した活断層マップでは、六ヶ所村に活断層はないが、青森県内には少なくとも7つの活断層が存在する。

 アレバは11日、三菱重工業(Mitsubishi Heavy Industries)と原子燃料提供のための業務提携拡大覚書に署名した。フランスはここ数か月間に、民生用原子力分野での協力協定を、アルジェリア、リビア、アラブ首長国連邦(UAE)と締結している。(c)AFP/Christophe Schmidt