【3月22日 AFP】中国共産党の機関紙「人民日報(People's Daily)」は22日、チベット(Tibet)自治区で発生した暴動について、同自治区の中国支配に反対する勢力を一掃するため、徹底的な取り締まりを行うべきだと主張した。

 同紙は社説で、中国政府はチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世による対話の訴えを無視し、「ダライの徒党集団」は粉砕されるべきだとし、「チベットの分離主義集団」による暴動を断固として鎮圧し、これを根絶しなければならないと述べた。

 同紙はまた解説記事で、「チベット住民を含む13億の中国人民は、チベットの安定を揺るがす者を誰1人として許さない。そのためには、中国政府は取り締まりを徹底し、一部の不法な犯罪者を厳しく罰する必要がある」と主張した。

 同紙によると、今回の暴動の黒幕はダライ・ラマで、8月の北京五輪の妨害と、中国からのチベット分離を目論んだという。

 これに対しダライ・ラマ側は、チベットの独立ではなく高度な自治を求めているとして、中国政府とは対立ではなく対話を望んでいると主張している。

 一方、中国政府は同日、これに先立ち、同自治区ラサ(Lhasa)の暴動で警官1人を含む19人が死亡、623人が負傷したと発表した。これまでは一般人の13人が死亡したと発表されていた。(c)AFP