【3月21日 AFP】中国チベット自治区に隣接する四川省(Sichuan)アバ県(Ngawa)で16日に起きた暴動に関連し、中国国営新華社(Xihhua)が警察筋の情報として20日、「警官隊による自衛のための発砲」「負傷者4人」と報じたことに対し、21日、チベット支援団体の間で非難の声があがっている。

 米国とインドに拠点を置く学生組織「Students For A Free Tibet(チベット自由化を目指す学生たち)」のLhadon Tethong氏は「現時点では、中国当局の声明はいっさい信用できない。わたしたちはたしかに(死者の)写真を見た。友達の中には家族を失った者もいる。当局の情報は100%認めない」と語った。

 米国のチベット支援団体「チベットのための国際キャンペーン(International Campaign for TibetICT)」のケイト・サンダース(Kate Saunders)氏も、チベット当局がラサ(Lhasa)での暴動で発砲はなかったと主張しているのと同様、まったく信用できないと糾弾。

「チベット人は大きなリスクを背負って、実際に何が起きているのかを世界に伝えようとしている。彼らは、現実に死者が出ているたしかな証拠を見せてくれた。誰ひとりとして中国当局の声明は信じないだろう」(サンダース氏)

 支援団体らは、アバ県では治安部隊による発砲で少なくとも8人が死亡したと発表。明らかに銃弾によるものとみられる傷のついた遺体写真を公開した。AFPではこれらの写真の信ぴょう性を確認していない。

 またラサでの暴動では、中国当局は13人の「罪のない」人々が犠牲になったとしているが、チベット亡命政府は少なくとも99人の死亡を確認したとしている。

 暴動のさなかに銃声を聞いたと証言する観光客らもいる。(c)AFP