【3月14日 AFP】メディア・娯楽大手タイム・ワーナー(Time Warner)傘下のAOLは13日、ソーシャル・ネッワーキング・サービス(SNS)大手Beboを8億5000万ドル(約855億3550万円)で買収すると発表した。この買収で、米マイクロソフト(Microsoft)の敵対的買収にさらされている米ヤフー(Yahoo)をAOLが救済する可能性はほぼ消えたとみられる。

 Beboはビデオや音楽、文章などのデジタル・コンテンツを制作し、共有することが可能なSNSサイトで、英国、ニュージーランド、アイルランドなどで人気が高い。Beboによると、同サービス利用者には「熱心な参加者」が多く、閲覧数は1日平均で1人当たり78ページに上る。

 AOLのランディ・ファルコ(Randy Falco)最高経営責任者(CEO)は買収理由について、「Beboが世界中に持つ顧客4000万人と、いまだ急速な増加を続ける顧客数が魅力」と説明。「AOLのパーソナルコミュニケーション・ネットワークを補完」するとともに、SNS運営で広告収入が広がる可能性に期待を寄せた。 

 IT関連調査会社eMarketerによると、ソーシャル・ネッワーキング・サービス業界全体での今年度の広告収益は、昨年比75パーセント増の21億ドル(約2120億円)になる見込みである。また同社は、広告収益は2011年までに41億ドル(約4140億円)にまで成長すると分析している。

 AOLは前週、ソフトウエア開発者向けにプラットホームを公開したばかり。また、米アップル(Apple)の多機能携帯電話「iPhone」用のAOLインスタントメッセンジャー(AIM)も発表した。同社は世界17か国でウェブサービスを展開しており、2008年末には30か国にまで拡大するとしている。(c)AFP