【3月12日 AFP】男子マラソンの世界記録を持つエチオピアのハイレ・ゲブレシラシエ(Haile Gebrselassie)選手(34)が、大気汚染を理由に北京五輪のマラソンを欠場すると表明したことについて、中国の楊潔チ(Yang Jiechi)外相は12日、記者会見で、北京の大気汚染に関する選手の懸念を一蹴(いっしゅう)し、同市は今年の五輪で世界記録を出すのに理想的だと強調した。

 楊外相は、「北京の大気は改善を続けており、同市に来る選手の大半は大気の質、環境、運動施設の状態について万全の信頼を寄せている」と自信を示した。

 ゲブレシラシエ選手は、自身の世界記録を破るのが今後の目標の1つだと表明しているが、これについて楊外相は、「多くの選手が中国、特に北京で世界記録を出していることについては議論の余地がない。ほかの場所で世界記録を出せない選手でも、北京五輪ならよい結果を残せるかもしれない」と述べた。

 ぜんそくの持病があるゲブレシラシエ選手は10日、北京の大気汚染は健康に害を及ぼし、目標を達成する前に選手生命が終わってしまう恐れがあるとして、北京五輪のマラソンを欠場し、代わりに陸上1万メートルに照準を合わせていると明らかにした。

 国際五輪委員会(International Olympic CommitteeIOC)のジャック・ロゲ(Jacques Rogge)会長も北京の大気汚染を懸念しており、競技者の健康を脅かすようであれば、マラソンなどの競技を延期する可能性もあると警告している。(c)AFP