【3月2日 AFP】アフガニスタンでの10週間の軍務を終え帰国を果たした英王室のヘンリー王子(Prince Henry)(23)のインタビューが2日公開された。インタビューで王子は「前線に戻ることを希望する。私はヒーローではない」との心境を語った。

 一部報道で任地が明かされたことにより予定を切り上げて帰国する必要に迫られたことについてヘンリー王子は、「多少落胆している」と述べた。

 現在軍の指示を待つヘンリー王子は、「自分としては、(直属の上官に伝えた希望の通り)すぐにでも(アフガニスタンに)戻りたい」と述べ、仲間の兵士と行動を共にすることを望んだ。

 これに対し、リチャード・ダナット(Richard Dannatt)英陸軍参謀長は、ヘンリー王子の望みと熱意は理解できるとしながらも、王子が今後18か月以内に前線に戻る可能性に否定的な見方を示している。

 ヘンリー王子は前線での軍務を終え、政治家、軍、そしてメディアが度を超した英雄視することに、「私がヒーロー(英雄)だなんてとんでもない。皆と同じ。英雄について考えるなら、戦地にいる数千の兵士のことを考えるべき」とコメントした。

 さらに帰国の軍用機に重傷を負って意識不明の兵士2人が乗り合わせ、その1人は地雷で片足と片腕を失ったことを紹介し、「彼らこそ真の英雄だ」と語った。

 前線ではヘンリー王子の作戦基地がイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)に属する武装勢力の陣地からわずか500メートルに迫ったこともあったが、勇猛で知られる英軍グルカ兵(ネパール出身兵)らと行動を共にして身の安全を確信できたという。

 グルカ兵については、「皆彼らの世話になっている。食べ物もおいしく、ヤギ・カレーやチキン・カレーは格別」とヘンリー王子は語った。(c)AFP