【3月1日 AFP】英国のチャールズ皇太子(Prince Charles)が「個人的理由」でロンドン(London)にある公邸クラレンスハウス(Clarence House)でのフォアグラの使用を禁止した。同公邸の報道官が27日、AFPに対して明らかにした。

 同報道官によると「シェフはフォアグラを購入してはいけない、というポリシーを皇太子が持っていることを確認した」としている。

 フォアグラは強制的に餌を与えられたガチョウやカモの肝臓からつくられる珍味。英国での生産は禁止されているが、輸入は許されている。

 新聞報道によると、皇太子は、イングランド西部ハイグローブ(Highgrove)の別荘近くにあるひいきの店がフォアグラを販売していることを動物愛護団体「ベジタリアンズ・インターナショナル・ボイス・フォー・アニマルズ(Vegetarians International Voice for AnimalsViva)から聞かされ、同店に対する王室御用達認可証の見直しを約束したという。

 英デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)紙はVivaのJustin Kerswell氏の話として、「フォアグラはとても洗練された食材とみなされている。皇位継承者は英国で最も洗練された人物だろうから、皇太子がフォアグラを禁止することはとてもいいニュースだ」と、同氏が皇太子の行動は遅すぎたものの歓迎していることを伝えた。

 ミシュラン(Michelin)ガイドで2つ星を獲得しているイングランド東部ケンブリッジ(Cambridge)の有名レストラン、ミッドサマーハウス(Midsummer House)は前週、メニューからフォアグラを外した。テレグラフ紙によると、このレストランは強硬派の動物愛護団体「動物解放戦線(Animal Liberation Front)」の脅しや暴力を受けていたという。

 前年8月には、高級デパートのハーベイ・ニコルズ(Harvey Nichols)が動物愛護団体の怒りを避けるためにフォアグラの販売を停止している。

 スーパーマーケットチェーンのウェートローズ(Waitrose)は動物愛護の観点から、6年前にフォアグラの販売をやめたが、餌を強制的に与えられることなく、放し飼いで育ったカモやアヒルの肝臓から作られてい新タイプのフォアグラ「faux gras(フォーグラ、「疑似フォアグラ」の意)」を販売している。(c)AFP