【2月18日 AFP】】第58回ベルリン国際映画祭(The 58th Berlin International Film Festival)で15日に上映されたドキュメンタリー映画『CSNY Deja vu』の記者会見で、シンガー・ソングライター、ニール・ヤング(Neil Young、62)は「音楽は世界を変えられるなどという希望は失った」と語った。

 ヤング自身が、Bernard Shakeyという偽名で監督した本作には、2006年に行われたCSNYの反戦コンサートツアー「Freedom of Speech」の様子が収められている。ツアーでは、「Let’s Impeach The President(大統領を弾劾しよう)」という反戦歌が歌われ、賞賛を浴びるとともに脅迫状が舞い込むこともあったという。

「音楽が世界を変えることができたのは過去の話。1つの歌が世界を変えられるなんて疑わしい。それが現実だ」とヤングは語る。

 ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領、特に大統領の巧みな心理作戦を批判的に見つめた。

「ブッシュのどこが悪いかとの質問の答えにはとても長い時間を要するだろうが、彼のどこが正しいかとの質問には短い答えで済むだろう。彼は、健康そのものの標本みたいだ。彼のような年齢でも健康を保てることを、示してくれている」(ヤング)

 ヤングは、ベトナム戦争とイラク戦争との線引きをしない。「どちらも戦争には変わりなく、みんなを傷つけるもの。誤った問題解決法だ。イラクを解放していると思っている米国人は、だまされてるんだ。民主主義を世界中に広める必要はない」

 ヤングは、そうした意見に感銘しない批評家やイラク・アフガニスタン両戦争に従軍した兵士とのインタビューも映画に盛り込んだ。

 本作は、前月ユタ州で開催された「2008年サンダンス映画祭(2008 Sundance Film Festival)」にも出品されている。(c)AFP/Emsie Ferreira