【2月5日 AFP】西アフリカのブルキナファソは最貧国の1つに挙げられるが、一部の国民は経済的にうるおいつつある。同国で生産されるオーガニック・コットン(有機栽培綿)と肌に優しいシアバターの需要が先進国において飛躍的に伸びているためだ。

 これら2つの新しい主要産品の担い手は、村の女性たちだ。

 米女性下着メーカーのヴィクトリアズ・シークレット(Victoria’s Secret)は前年7月、初めて同国の業者にオーガニック・コットン600トンを発注した。ブルキナファソ綿製造業者組合(UNPCB)のAthanase Yara氏は、こうした大型受注を「わが国の持続可能な発展に寄与するもの」と歓迎する。「社会で最も弱い立場にある女性たちの、生活水準や子どもたちの養育・教育の向上にもつながる」

 同国のオーガニック・コットン・プロジェクトを支援するスイスの開発援助組織「ヘルヴェタス(Helvetas)」によると、同国のオーガニック・コットン生産者の半数以上は女性だという。

 同組織の地元コーディネーターは、オーガニック・コットン産業の活況を「偶然でも一過性のものでもなく、数々の大企業が追従しているれっきとしたトレンドだ」と説明する。

 同国のオーガニック・コットンの生産高は、2006年の350トンから2007年の1000トンと約3倍に。今年度の生産高は2000-3000トンが見込まれている。だが、従来の綿の年間生産量50万トンにはまだ遠く及ばない。
 
■シアバター生産でも女性が活躍

 サハラ以南のアフリカに自生するシアの木の実から抽出される油脂シアバターも、先進国では保湿クリーム、スキンケア化粧品として人気沸騰中だ。

 シアバターを生産する首都ワガドゥグ(Ouagadougou)郊外の村は大忙し。ここでは、約20人の女性たちが暑熱と煙が立ちこめる屋内で作業にいそしんでいる。シアの実を選別、洗浄、ローストし、実を割ってチョコレート色のペーストを絞り出す。ペーストは練り込まれ、白い脂肪分(シアバター)が抽出される。

 保健衛生規則が厳しいため、製造の際の廃棄物はすべて乾燥させたあとに燃料として再利用される。

 シアバターの製造は、仏化粧品ロクシタン(L’OCCITAN)からの受注を受けて2003年に本格的に開始され、国際有機認定機関(Ecocert)の監視のもとで行われている。

 同国の2004-2007年のシアバター生産高は、年間20トンと、2倍のペースで増えつつある。シアバター産業も、主に女性が従事している。

 シアバター製造者連盟のHenriette Ouedraogo氏は、「オーガニック製品は価格が高いので、女性たちも多く稼ぐことができる」と語る。

 ちなみに、先進国では1キロあたりの卸価格が2.2ユーロ(約350円)だが、これはワガドゥグでの価格の3倍にあたるという。(c)AFP